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X-FILE > セキュリティ対策 > データのバックアップ


〔テーマ〕
データのバックアップ
〔リード〕
 パソコンにトラブルは付き物です。ハードディスクに保存されているデータの破損等に備えて、データのバックアップを日々行うことが重要です。面倒だからとバックアップを怠った時期に事件が起こります。
〔質 問〕
 財務パッケージソフトを導入したおかげで、すぐに集計されたデータが見られるので便利になりましたよ。データのバックアップ?経理の女の子がやっていると思うけれど...私はよくわからないなー。
〔回 答〕
 財務パッケージソフトは取引データを入力すれば、パソコンのハードディスクにデータが書き込まれます。データのバックアップとは、パソコンに保存されたデータを、ハードディスクの破損やコンピュータウィルス感染などの不測の事態に備え、他のハードディスクやフロッピ・ディスク、光磁気ディスク(MO)、CD−Rなどの別の記憶媒体に保存することをいいます。

1.突然パソコンが動かなくなった
 財務パッケージソフト導入当初は、経理担当者の方も「毎日業務終了後にバックアップを取ってください」とご指導した通り忠実に作業を行っていただけます。しかしながら、導入から月日が経つにしたがってバックアップの間隔が三日、一週間、一月おきと延びているのが現状のようです。ある日突然ハードディスクが物理的に壊れてしまうという不運に見舞われないと、その重要性が認知されないようです。
 先日も、「数日前からパソコンからカタカタと異常な音がしていたのですが、今朝パソコンの電源を入れたら真っ暗なままです。どうすればよいでしょうか?」と電話をいただきました。電話で指示をしても、解決できそうにないので、すぐに会社を訪問したところ、真っ黒な画面のパソコンが奇妙な音を立てていました。3日後にパソコンメーカから技術者が出張修理に来て、想像通りハードディスクが壊れているとことがわかりました
 ハードディスクが壊れてしまうと、財務データ、ビジネス文書、住所録、写真画像、メールのデータなどが一瞬にして消えてしまいます。確かに、データを作成・更新のたびに、バックアップを取るのは手間がかかり面倒な作業です。しかしながら、消失してしまったデータを復旧させることはほとんどの場合出来ませんし、出来るとしても非常に高度な知識と労力を要します。ハードディスクのデータ復旧サービスを専門におこなう会社もありますが、初期診断だけで2〜3万円の費用がかかります(注1)。

2.バックアップの重要性
 また、データの消失はハードウエアの故障以外の原因によって生じることも考えられます。誤って上書き保存して元のデータを消失してしまう人為的なミスや、大規模な災害に遭うかもしれません。昨年9月のアメリカ世界貿易センターのテロで、富士銀行はバックアップセンターを構築していたことから、その日のうちに決済業務を再開できたそうです。蓄積されたデータ量が増えるほどバックアップを怠ったことによるデータ消失のダメージは、復旧作業の時間やコストを増大させます。さらに、業務が停止する事により取引先や顧客に迷惑をかけて会社の信用を失うことにもなりかねません。
 今回の修理は、ハードディスクを新しいものに交換し、パソコンを購入時(出荷時)の状態に戻しておしまいです。こちらの会社は、きちんとデータのバックアップを取っていたので故障する前日までの状態にリストアすることが出来ました。経理担当者の方は、「パソコンって壊れることがあるんですね。バックアップしていたおかげで、作業もそれ程停滞することなくて助かりました。」とバックアップの重要性を改めて認識されたようです。

3.バックアップするデータ
 極論からすると全てのデータが対象となりますが、少なくとも下記のデータを保存する必要があります(注2)。
 ・財務パッケージデータ
 ・自分で作成したデータ
 ・Webブラウザに登録したお気に入りのURL
 ・メールソフトのアドレス帳
 ・MS−IMEのユーザー辞書

 アプリケーションソフトのシリアルナンバーとアップデート情報はまとめて控えておくと再インストールの際に便利です。また、ソフトをアップデートした履歴も控えておくことが大切です。プリンタなど周辺機器の各種ドライバ−もまとめて保存しておくと作業がはかどります。

4.バックアップ用ソフト
 財務パッケージソフトには、あらかじめバックアップ機能がついていますので、アイコンなどをクリックして、バックアップファイルを作成する場所を指定すれば完了します。しかしながら、自分で作成したデータは、保存したデータの中から新規に作成されたものや更新されたデータを拾い出さなければなりません。全てのデータをバックアップすれば良いかもしれませんが、時間がかかります。
 バックアップ用ソフト(注3)を利用すれば、新規のデータはそのままバックアップ先にコピーし、更新したデータは日時を比較して上書き保存してくれます。
 それから、誤って上書き保存をしてしまわない様、原本をそのまま保存しておきたい場合は、ファイルの属性を「読み取り専用」に変更してしまうという方法があります。読み取り専用にしたいファイルを「右クリック」→「プロパティ」から、「属性」の欄の「読み取り専用」にチェックをつければ原本のファイルは上書き保存できなくなります。

5.バックアップのポイント
 ・作成したデータは必ずバックアップを取ること。
 ・バックアップは日々行うこと。
 ・バックアップソフトを使うと作業が軽減する。

パソコンの運用において、データ消失というリスクを回避するための有効な手段はデータのバックアップをおこなうことであり、バックアップを日常的に行うことはリスク管理をおこなう上で不可欠です。

(注)
1.

【主な復旧サービス会社】

 アドバンスデザイン株式会社

http://www.a-d-co.com/

 大塚商会データリカバリーセンター

http://www.t-alpha.otsuka-shokai.co.jp/drecove/dr01.html

 有限会社くまなんピーシーネット

http://www.kumanan-pcnet.co.jp/

富士マグネディスク

http://www.fujifilm.co.jp/fmd/

 データリカバリー株式会社

http://www.datarecovery.co.jp/

 株式会社ワイ・イー・データ

http://www.ontrack-japan.com/

2.

【バックアップするデータと保管場所】

バックアップするデータ

バックアップファイルの保管場所と対象ファイル

Internet Explorer のお気に入り

Windows98、SE、ME の場合
C:\windows\favorites
フォルダ内

Windows2000 の場合
C:\Documents and Settings\{ユーザ名}
\favoritesフォルダ内

Outlook Express アドレス帳

Windows98、SE、ME の場合
C:\windows\application data\microsoft\address book
\{ユーザ名}.wab

Windows2000 の場合
C:\Documents and Settings\{ユーザ名}\ application data\microsoft\address book \{ユーザ名}.wab

Outlook Express メール

Windows98、SE、ME の場合
C:\windows\applicatio data\identities \{文字列}\Microsoft\Outlook Express フォルダ内の、拡張子dbxファイル全て

Windows2000 の場合
C:\Documents and Settings\{ユーザ名}\Local Settings\Application Data\Identities\{文字列}\Microsoft\Outlook Express フォルダ内の、拡張子dbxファイル全て

MS-IME2000のユーザー辞書

Windows98、SE、ME の場合
C:\windows\ime\imejp\imejpusr.dic

Windows2000 の場合
C:\Documents and Settings\{ユーザ名}\Application Data\Microsoft\ ime\imejp\imejpusr.dic

MS-IME2002のユーザー辞書

Windows98、SE、ME の場合
C:\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\ime\imejp\usrdicts\のimejp8u.dic

Windows2000 の場合
C:\Documents and Settings\{ユーザ名}\Local Settings \Application Data\Microsoft\ ime\imejp\usrdicts\のimejp8u.dic


3.

【バックアップ用ソフト】

 株式会社ネットジャパン

http://www.netjapan.co.jp/doc/index.html

 株式会社住友金属システムソリューションズ

http://www.smisoft.com/

ロキシオ・ジャパン株式会社

http://www.roxio.co.jp/

Windows2000とWindowsXPには、ファイルのバックアップツールが標準で付属しています。「スタート」メニューから「アクセサリ」→「システムツール」→「バックアップ」でウイザードが開始します。

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